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事業承継、一緒に考えてみませんか?①

  中小企業は、国内企業数の約99%を占めており、雇用の受け皿をはじめとして、地域経済・社会において、非常に重要な役割を担っています。
 もっとも、経営者年齢で最も多い層は、2000年は50歳から54歳であったのが、2015年には65歳から69歳となっており、経営者年齢の高齢化が進んでいます。

 そこで、新しい担い手に会社や事業を引き継いでもらい、今後の従業員の雇用を守っていくため、事業承継の重要性が、近年ますます高まっているところです。
 今回は、事業承継シリーズの第1回として、事業承継の種類とそれぞれのメリット・デメリットについてお話していきたいと思います。

 事業承継は、「親族内承継」と「親族外承継」の二つに分けることができます。

 「親族内承継」は、経営者の子や孫をはじめとする親族に承継させる方法です。現経営者の身内に引き継いでもらうことから、従業員や取引先から心情的に受け入れられやすいというメリットがあります。

 また、早い段階に後継候補者を決定しておけば、ある程度準備時間を取って事業承継を進めることができます。

 もっとも、親族の中に、現経営者が求めるような経営能力や意欲があるとは限りませんし、親族が県外に在住していたり、既に他の仕事に就いている等の理由で、会社や家業を継ぐ意向もないこともありますので、そのような場合には採りにくい方法といえます。

 「親族外承継」は、「役員・従業員承継」と「第三者承継」(いわゆる「M&A」)があります。

 このうち、「役員・従業員承継」は、社内の親族以外の役員や従業員に承継させる方法で、それまで会社業務に携わってきた人物に継いでもらうこととなるため、経営をスムーズに引き継げるというメリットがあります。

 もっとも、特に従業員に対して、現経営者が持っている株式を譲る方法を採った場合、会社の株式の評価額が高い場合には、その譲渡代金を準備するだけの資金力がない場合があります。

 また、会社が金融機関から資金調達をする場合、現経営者が保証人となるケースも多くみられるところ、事業承継に当たってその保証債務を承継者に切り替えることができるか、という問題があります。

 「第三者承継」は、ある程度の資金力がある会社外部の候補者に事業承継を行う方法で、身近に承継候補として適任の人物がいない場合でも、広く外部に候補者を求めることで、会社を残すことができます。

 また、現経営者にとっては、株式等の売却益を得て、例えば引退後の生活資金とすることができるのみならず、M&Aによる相乗効果によって経営の安定や成長に繋がれば、従業員にも良い影響を及ぼすことも期待できます。

 もっとも、現経営者の希望に合った買い手を見つけるには時間を要することも多いですし、M&Aの仲介会社を利用した場合、高額な仲介手数料がかかることもネックとなります。

 では、「親族内承継」、「親族外承継」、それぞれどのような点に注意して進めていけばよいでしょうか。
 次回に続く!→事業承継、一緒に考えてみませんか?②

※ 弊所では、公的な事業承継の支援機関や民間の事業承継マッチングプラットフォームと連携して、事業承継問題に取り組んでいます。
 事業承継にご関心をお持ちの際は、お気軽にお問い合わせください。

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