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カスハラ条例制定の動きについて

 以前、カスタマーハラスメント(カスハラ)対策についてご説明をさせていただく記事を投稿しましたが、今回はその後の動きとして、東京都において、カスタマーハラスメント対策の条例を定める動きが進んでおりますので、その紹介をさせていただきます。

 今年の2月、東京都の小池知事がカスハラ防止条例案を東京都議会に上程する(条例として定めるために議員との議論を開始する)との報道が出ました。
 東京都では、議会に条例案を提出する前提として、「カスタマーハラスメント防止対策検討部会」という民間の専門家を集めた会議を立ち上げ、カスタマーハラスメントの現状分析やその現状に対する適切な対応策の検討を行っていると報じられています。
 既に東京都では、「カスタマーハラスメントを行ってはならない」といった啓発活動や、相談窓口の設置、企業向けの支援といった取組みをしているようです。
 法律の世界では、ルールを定めて規制を行うことはいわば最終手段であるべき、言い換えれば必要性がないのに条例などのルールを定めるべきではないというのが一般的な考え方ですが、上記のような東京都による取り組みでは必ずしも十分ではないとの問題意識から、条例の制定に踏み切るものと考えられます。
 ただ、ルールを定めると言っても、今回制定が検討されている条例では罰則は設けられない方向で、まずは、「消費者の方が立場が上」という感覚は間違っていて、事業者と消費者は対等であるという考え方の周知啓発を行うことを中心的な目的としているものとみられます。

 これまでも、(前回のカスハラに関する記事でご紹介したように)厚生労働省がガイドラインをまとめるなどして、国政レベルでの対応策の検討が行われてきましたが、国レベルではなく都道府県レベルでこういった条例を制定し、「カスハラは良くないものである」ことを示す具体的な動きとして、強い注目を浴びているところです。

 なお、条例とは、国レベルで定められる「法律」のローカル版のようなもので、地方議会によって定められる地域限定のルールです。今回も「東京都」で定められるもので、宮崎県を含む他の道府県で直接そのようなルールが適用されるわけではありません。ただ、法律実務においては、他の都道府県の条例であっても「参考にする」ということはあり、例えば裁判で顧客によるカスハラ行為が限度を超えたものであることを主張する際の材料にはなり得ます。
 具体的な条例案の中身は本日現在まだ公開されていませんが、今後公開されることになると考えられますので、ご興味をお持ちの方いらっしゃいましたら、ぜひ弊所にお問合せいただければと思います。

 また、引き続き弊所ではカスタマーハラスメントにお悩みの事業者様からの相談を承っております。顧客との窓口を担当されている方は、大事なお客様とのやりとりをされる関係で、責任感の強い方が選ばれる傾向があります。そういった責任感の強い方であればあるほど、悪質なクレームに晒されても、ご自身で処理しなければと考え、悩みを抱え込まれる方も多いのでは、と考えられます。
 例えば損害保険の分野においては、わざと悪質なことをいうつもりはないにしても、顧客の側は何らかのダメージを受けて感情的になっている可能性も高く、結果的に過剰な主張をされるお客様もいるでしょう。そのような中でも、根拠のないクレームに従う必要はありませんし、人材は人財であるという言葉もあるとおり、貴重な戦力である従業員の方を守るということも重要です。
 何かお役に立てそうなことございましたら、ご遠慮なくご連絡くださいませ。

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