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事業承継、一緒に考えてみませんか?②

 前回(こちら→事業承継、一緒に考えてみませんか?➀)は、事業承継の種類についてお話ししましたので、今回は事業承継に向けた注意点をお伝えしていこうと思います。

 何事にも準備が必要なように、事業承継でも、まずは実行に向けた準備が重要です。
 その視点から、中小企業庁の「事業承継ガイドライン」(令和4年3月改訂)では、事業承継に向けた5つのステップが示されています。

              ※「事業承継ガイドライン」31ページ

ステップ1は、「事業承継に向けた準備の必要性の認識」です。

 事業承継は、個人的、あるいは家庭内の問題として捉えられがちであることから、経営者が外部に相談しにくい、あるいは家族や従業員から経営者に対しても話をしにくい事柄(引退勧告のように受け止められるおそれ)であるという性質があります。しかし、事業承継への取組みが先送りのままになってしまうと、いざ着手した段階になって、これまで会社が抱えてきた問題が深刻化していたり、後継者を育てるにも時間が足りない、という事態が生じてしまいます。

 そのため、事業承継ガイドラインでは、おおむね60歳に達したころには事業承継の準備に取りかかることが望ましく、またそのような社会的な認識を醸成することが大切である、とされています。

ステップ2は、「経営状況・経営課題等の把握(見える化)」です。

 個人事業主も含め、事業承継をスムーズに進めるためには、経営状況や経営課題、経営資源等について、現状を正確に把握して、「見える化」しておくことが重要です。
 「見える化」とは、財務、業務、戦略等の活動実態を具体化し、客観的にとらえられるようにすることを指しています。「可視化」が、見えないものを見たい人が見られる状態にすることを指すのに対し、「見える化」は、見えないものを誰もが常に見られる状態にし、それによって問題や課題を継続的に改善していく状態を作るという意味で、ニュアンスが異なっています。

 この「見える化」は、会社の経営状況の見える化と、事業承継課題の見える化が挙げられます。
 会社の経営状況の見える化のための取組みとしては、例えば、会社と経営者との関係の明確化(会社・経営者間の貸借関係、経営者保証の有無等)、株式評価、事業価値の源泉の把握が挙げられます。自社の業界内における位置付けを客観的に評価するにあたっては、経済産業省が示している「ローカルベンチマーク」を活用することも想定されています。
 ■ローカルベンチマーク(ロカベン)シート■経済産業省HP   
 https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/sheet.html

 また、事業承継課題の見える化については、例えば後継候補者の有無や適格性の検討、親族内承継にあっては将来の相続発生を見据えた相続財産の特定や相続税額の試算の検討が挙げられます。

ステップ3は、「事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)」です。

 これは、その事業の体力や体質を強化するとともに、後継者が継ぎたくなるような経営状態の引き上げや魅力作りのための取り組みです。

 2019年に中小企業庁が実施した調査によると、事業を継ぐことに前向きでない理由として、事業の将来性を理由とする回答が約40%を占めています。そこで、承継前に経営改善を行って、後継候補者が継ぎたくなるような経営状態にまで引き上げておくことが重要です。
 そのためには、①本業の競争力強化(「強み」を作って「弱み」を改善する)に加え、②経営体制の総点検(社内の風通しの改善やガバナンス向上、不要資産の処分や余剰負債の返済によるスリム化)、③経営強化に資する取組み(財務状況のタイムリーかつ正確な把握や、利害関係者に対する財務情報の説明による信用力の獲得)がポイントとなります。

次回に続く!→事業承継、一緒に考えてみませんか?③

※ 弊所では、公的な事業承継の支援機関や民間の事業承継マッチングプラットフォームと連携して、事業承継問題に取り組んでいます。
 事業承継にご関心をお持ちの際は、お気軽にお問い合わせください。

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