今回が2024年最後のブログ記事となります。今年も一年大変お世話になりました。また来年もよろしくお願いいたします。
今回の記事では、今年の法規制の動きを復習しながら、来年の見通しについても見ていきたいと思います。
まず2024年の大きな動きです。具体的に動き出した法規制の中で一番インパクトがあったのは、やはりフリーランス保護法の施行でした(本ブログでも4回に分けて解説を行いました。 ① ② ③ ④)。
定義上適用される範囲がかなり広く、規制によって守られる者が同時に規制を守らなければならない側にもなるというような、ある意味複雑な構造となっているため、小規模でビジネスを行う方々にとっては様々な対応を迫られたのではないかと考えております。本年11月1日からの施行であることから、今の段階ではまだ処分事案が出ているわけではありませんが、行政としては新しいルールが動き出した直後は、やはりしっかりと処罰していくことをアピールするため積極的に行政処分・行政指導を行う傾向にあります。来年の前半くらいまでには処分される事業者も出始めるのではないでしょうか。
そして本ブログをご愛読いただいている皆様にとっては、やはり保険業関係の規制の見直しの議論については目が離せない状況だったのではないでしょうか。昨年の中古自動車を取り扱う事業者の事件を発端として、様々な論点で議論が紛糾しました。なかには、業界側が提案した自主規制団体の設置という対応策が行政の側に拒絶されるといったこともありました。今月に入りおおよその方向性は固まったようです。
続けて2025年の注目ポイントです。
来年も様々な話題が出てきそうですが、特に注目されるのは、やはり上記保険業法関係の改正についての国会での審議でしょう。
有識者会議を経て政府がまとめた法案は、割と多くのケースでそのまま改正法として成立することが多いですが、先日の衆議院選挙の結果、昨年前半までのように与党が常に多数という状態ではなくなっているため、場合によっては国会の中で改正法案の修正が行われる可能性も出てくるかもしれません。
他には、フリーランス保護法の施行と近いジャンルの話となりますが、下請法も約20年ぶりの改正法案の提出が予定されています。
いくつかの個別論点へのケアという側面もありますが、個人的には「下請」という用語も見直す方向で議論が行われている点に注目しています。「下請」というのが(おそらく)地位が低いようなニュアンスを感じる方がいらっしゃってこのような議論が起こっているのだと考えられますが、仮に、下請法の中の「下請」という中核的な概念が別の用語で置き換えられてしまった場合、思わぬ影響が出るのではないかという心配をしています(以前は適用対象ではなかったものが意図せず含まれてしまう、など。)。このあたりも注視していきたいと考えております。
以上、大まかなトピックの紹介のみとなりましたが、弊所では引き続き、皆様の事業に影響を与えうる法令・ルールについて早め早めのキャッチアップを心がけてまいります。こういったこと自体のご相談でないにしても、弊所では様々な案件を手掛けさせていただいておりますので、そのついでにでも是非気になる点などをご質問いただければ幸いです。
来年も皆様を全力でサポートしてまいりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。