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健康食品の制度について②

一回空いてしまいましたが、健康食品制度に関する解説の後半です。

 健康食品に関する公的な制度としては、①特定保健用食品(いわゆるトクホ)、②機能性表示食品、③栄養機能食品の3種類があることをお伝えしました。
 この記事をお届けする発端となったのは、②機能性表示食品として届け出られていたものによって健康被害が生じたのではないかという件です。今回はその話題性について法的観点からご説明いたします。

 食品による健康被害が生じたという点でいえば、それが「機能性表示食品」であろうとなかろうと、被害者の方に賠償をしなければなりませんし、例えば保健所による調査が実施されることは同じように生じます。
 ただ、「機能性表示食品」となれば、国が「お墨付き」を与えた食品によって被害が生じたように受け取られ、大きな問題として扱われる傾向があります。過去には「機能性表示食品」に誇大広告があったとして行政処分が行われた例もありました。

 前回解説しましたとおり、「機能性表示食品」は、届出しか必要がなく、公的機関で食品の安全性等について審査を行っているわけではないため、健康被害が起きないことについてお墨付きを与えたということを示すものではありません。
 また、機能性表示食品における表示内容についても、その表示が適正であることが保証されているものではありませんし、安全性や表示に問題があれば行政処分を受ける可能性はあります。
 このように、「機能性表示食品」であることが、安全性や表示に問題がないことを担保するものではないのですが、消費者に対してこれらの点が担保された食品であるかのようなイメージを与えることは否定できないようです。
 消費者庁等の関係省庁では、健康被害が機能性表示食品によって生じたとなれば、被害発生後の調査がより厳しく行われたり、制度の見直しに動く可能性があります。不当表示を理由とする行政処分が出た際も同様の動きがあったのですが、やはり消費者に与えるイメージを踏まえてのものと考えられます。
 そうなると、これまでの「機能性表示食品」の良さ(トクホのように審査を受けるコストが必要ない)が失われる可能性があります。真面目に取り組んでいる事業者にとっては、思わぬ影響を受けることになる可能性があります。

 今回の「機能性表示食品」に限らず、法令違反が積み重なった場合、それに関する規制の強化・新設が議論され始めることになります。違反をすることで一時は利益を上げられても、長期的な視点では大きな損失を被ることもあり得ます。
 そのため、各種規制に目配りをして、普段から違反とならないよう留意しておくべきということになります。弊所では、法令違反を防止するためのアドバイスを行わせていただいております。気になる点などありましたら、どんなに小さなことでも構いませんので、ぜひ弊所までご相談くださいませ。

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