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祝日はどう決まる?

 6月も終わり、7月に入りました。
 7月の祝日は海の日があり、7月半ばに三連休となります。
 ところで、この「海の日」は、1996年から祝日として定められたもので、それ以前にはない祝日です。また、8月の「山の日」も、比較的最近になって祝日として定められたものです。
 今でもときどき、祝日が新しく定められたり、これまでこの日だった祝日が別の日に移ったり、といったことが行われています。
 こういったことも含め、祝日(正確には「国民の祝日」))をいつにするのかについては、法律で定められていることはご存じでしょうか。

 昭和23年に定められた「国民の祝日に関する法律」という法律が、これに当たります。
 日本で祝日が法令で定められたのは明治に遡り、「年中祭日祝日ノ休暇日ヲ定ム」という太政官布告、さらには大正元年の「休日二関スル件」という勅令を経て、戦後に「国民の祝日に関する法律」が定められました。なお、「太政官」とは、明治維新後、内閣制度が発足するまでの最高行政機関のことで、「勅令」とは天皇の名で発する命令のことを指しています。
 戦前の祝日は、「紀元節」、「春季皇霊祭」、「秋季皇霊祭」等の、皇室の祭祀と連動する形で定められていて、現在も、紀元節は建国記念日、春季皇霊祭は春分の日、秋季皇霊祭は秋分の日というように引き継がれているものもあります。

 国民の祝日に関する法律では、祝日とする日や名称以外にも、その祝日の意味や位置づけについても定められています。
 例えば、元旦は、「一月一日 年のはじめを祝う。」とされ、こどもの日は「五月五日 こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。」とされています。
 2024年現在は、年間に16日が祝日とされていますが、祝日の折に、直接法律を見てみるのもよいかもしれません。
 ちなみに、日曜が祝日になった場合は次の月曜が振り替え休日になるということも、法律で定められています。

 また、当然のことながら、国民の祝日は「休日」となります。
 条文をそのまま引用すると、
   「国民の祝日」は、休日とする。
 とされています(同法3条1項)。

 ところで、ビジネス法務の中で「休日」という単語が出てくると、労働時間と賃金のことが連想されます。例えば、休日に労働を行わせた場合、割増賃金の支払いが必要となるケースがありますが、そうすると「国民の祝日」は「休日」である以上、その日に従業員を働かせた場合、割増賃金が発生してしまうのでしょうか。
 この問いに対する答えとしては、労働法分野における「休日」は、労働契約において労働義務を負わないとされている日であるため、国民の祝日に労働したからといって、必ずしも割増賃金が発生するとは限らない、ということになります。この意味で、「国民の祝日に関する法律」で出てくる「休日」と、労働法分野で出てくる「休日」とは、同じ意味ではないこととなります。

 法律では、同じ言葉が同じ意味となることもあれば、必ずしもそうではないケースもあり、一つの事実に対して複数の法律が適用されるということも珍しくありません。
 しかも、今回取り上げた国民の祝日に関する法律のように、あまり知られていない(が重要な)法律などもいろいろあったりします。
 弊所では、顧問契約をはじめ、「こんなちょっとした質問をしてもいいのかな?」とお考えのものでも随時対応させていただくことができますので、お気軽に弊所までご連絡ください。

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