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不祥事とペナルティ

 皆様は、日頃、不祥事に関する報道に接することもあろうかと思います。
 近年のコンプライアンス意識の高まりによるものか、知名度の高い会社や社会的地位を有する人物が不祥事を起こしたとの報道に接することも珍しいことではなくなってきたように感じます。

 会社や人が不祥事を起こした場合には、刑事・民事・行政にわたる複数の法令によってペナルティが課されうることとなりますが、今回はその概要についてお話しします。

①刑事的側面
 不祥事の内容にもよりますが、当該行為が刑法その他の刑罰法規に違反するものであった場合は、起訴され、刑事裁判にかけられる可能性があります。
 例えば、業務上顧客から預かっていた金銭を着服したというケースでは業務上横領罪、部下や目下の者に対してわいせつな行為をしたというケースでは不同意わいせつ罪で起訴されることがありえます。
 そして、有罪判決を受けた場合の具体的なペナルティ(刑罰)は、刑罰法規ごとに定められた内容に従って裁判所が刑種を選択して言い渡されることとなりますが、刑種には、例えば、刑務所で所定の作業につかせる「懲役刑」、強制的に金銭を徴収する「罰金刑」があります。

②民事的側面
 上記の刑事的側面というのは、かみ砕いていえば、刑罰法規で定められた「やってはならないこと」、すなわち「罪」を犯した場合に、それに対する制裁として「罰」を与えるという仕組みとなっており、これは国家と不祥事を起こした者との関係を指しており、「刑事裁判」という形で現れることとなります。
 これに対し、民事的側面とは、不祥事を起こした者と被害を受けた者との関係を指しており、「民事裁判」という形で現れることとなります。
 上記に上げた横領のケースやわいせつ行為のケースでは、被害者は不法行為に基づく損害賠償請求権という権利を行使して、加害者に対して金銭的な賠償を求めることができます。

③行政的側面
 さらに、①と類似するものになるのですが、刑罰法規によって禁止行為を定め、これに違反した場合に刑罰を科す以外にも、公共の安全を保つ観点から、法律でルールが定められる場合があります。
 日常生活上の典型例としては自動車免許が挙げられ、これは、自動車の運転を一般的に禁止して、一定の水準の運転技能を持つものに対しては都道府県の公安委員会(行政機関)が運転免許を与えて、その禁止を解く、という仕組みとなっています。
 こういった行政機関の関与が織り込まれているルールについては、それに違反した場合、行政機関による処分がその内容に含まれています。
 上記の自動車運転免許のケースでいえば、例えば飲酒運転をした場合には、免許取消処分の対象とされています。
 また、先ほど挙げた横領やわいせつ行為のケースでは、例えば国家資格を有する者がそのような行為をした場合、当該資格の停止やはく奪をする処分がなされることがあります。

 不祥事は発生を未然に防ぐことが重要ですが、そのためには、仮に不祥事を起こしてしまった場合にどういう事態が起こるのかについて社内教育をすることが、防止策の一つとなります。
 弊所では、そのような講習も承っておりますので、ご希望がございましたらお気軽にお問い合わせください。

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