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食品のPL責任を負うのは

 今回は、「食品による健康被害と賠償」にてお伝えした、ある食品が健康被害を引き起こした可能性がある事例について、改めて取り上げます。

 現在も引き続き原因究明が進められていますが、一部報道にて、製造の過程でカビが混入した可能性が指摘されています。
 仮に今後、その食品へのカビの混入や健康被害との因果関係、さらには当該販売業者の過失が証明されれば、当該食品を販売した事業者が損害賠償責任を負う可能性があります。

 そして今回は、販売業者だけが法的責任を負うわけではない、ということをお伝えしようと思います。

 販売事業者は、いわゆる「表示製造業者」に該当する場合を除けば、不法行為責任等の民法上の法的責任を問われることになるところ、製造物責任法(PL法)では、その製品を製造したメーカーも責任を問われ得るというルールとなっています(製造物責任法2条3項)。
 これは、製造物によって利益を出す事業者は、その製造物の欠陥によって損害を発生させたら、利益を得られることの裏返しとして、損害の賠償も行わなければならないという発想(「報償責任」と呼ばれます。)に基づいています。

 ある食品が健康被害を生じさせた疑いがある場合、まず販売事業者に対して法的責任の追及がなされることが想定されますが、被害の実態が明らかになるにつれて、販売業者とは別に当該製品の製造事業者がいる場合には、その事業者も製造物責任を問われる可能性がありますし、さらにその製品の原材料を製造した事業者に対しても製造物責任が問われる可能性があります。

 過去には、洗顔用せっけんの使用によって健康被害を受けたことについて損害賠償を求める裁判が全国的に行われていたところ、その訴訟においては、①せっけんを販売した事業者と②せっけんを製造したメーカーに加え、健康被害が生じたのは、せっけんに含まれる小麦由来成分であるとの被害者側の主張に基づき、③原材料を製造したメーカーも被告とされていました。

 食品等によって健康被害を生じさせた場合は、広く流通している商品であればあるほど、その賠償額は多額にわたる可能性があります。製造・販売の過程において綿密な検査等を実施して、そのような事態を未然に防止することが最優先事項ではありますが、同時に、PL保険によって備えることも有益なものと考えられます。
 弊所では、PL責任に関するご相談も承っておりますので、お気軽に弊所までお問い合わせください。

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