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会社に求められていること(ガバナンス)

  法人化(株式会社設立)に関する連載も今回で5回目となります。今回は、これまでにご紹介しました会社役員(→前々回・2024年2月15日公開記事)株主(→前回・2024年2月22日付公開記事)の話題をさらに発展させ、会社の「ガバナンス」ついて解説させていただきます。

 「会社役員」や「株」という話はともかく、「ガバナンス」といった用語を聞かれたことがある方は多くないかもしれません。
 ただ、その意味するところはそれほど特別なものではありません。言葉の意味としては「組織の所有者が、その組織の行動を制御するための仕組み」といったもので、特に会社の場合では(少し極端な整理かもしれませんが)「会社の中に設けられた、問題が起こらないようにするための仕組み」と言い換えることができます。

 会社には「所有者」と「経営者」がいるというお話を以前させていただきました。株式会社における「所有者」とは「株主」ですが、その株主が実際に会社経営に携わることが大変であったり、(会社への投資には詳しくても)会社経営には必ずしも精通していない場合があり得ます。そのため、「所有者」が「経営者」を務めなくてもいいという株式会社の構造は、実際上のニーズにかなっている場合も多いと考えられます。
 そういった必要性から「株主」が「経営者」に会社の経営を委託することになるので、当然、株主の期待する活動ができそうな人物を「経営者」に据えることになります。これが株式会社の社長をはじめとする取締役です。
 ただ、実際に稼働させてみると、取締役が株主が望まない経営判断を行う等、株主が期待していなかった状態になることもあり得ます。
 取締役の独断専行を防ぎ、会社の利益を損なわないようにするための方法として監査役を置くこともできますが、やはり何事も完璧な状態を作るのは難しいのが実情です。このため、役員構成をどうするかということ以外にも、様々な会社内部の体制の整備を行うことが必要になってきます。

 ここで冒頭の話に戻しますが、会社には「ガバナンス」が求められています。会社体制の中でも、上記のような「株主の利益を守る仕組み」を作りこれを実践することを「ガバナンス」と呼ぶものとイメージしていただけるとよろしいかと思います。

 前回、株式の上場について触れましたが、仮に東京証券取引所(東証)に上場するためには、「コーポレートガバナンス・コード」の遵守が求められます。これは、東証が定めた自主的なルールで、株主に不測の損害を与えることがないように十分なガバナンス体制を整えていることを求めるものですが、それにとどまらず、その会社のガバナンス体制が十分か否かを検証するためのツールとしても使われます。
 東証最上位のプライム市場に上場するためには、例えば役員における女性の割合に関する基準に適合させたり、ESG(環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)を考慮した投資活動や事業・経営活動)やサステナビリティ(持続的な発展を目指す考え方・取組み)にも一定の配慮をしていると説明できるようになっていなければなりません。余程の大企業でなければ実現可能性が低い事項もありますが、そういった高度なガバナンス体制を構築することは、世界から投資を受けられるような世界水準の企業であるとアピールすることにつながります。

 東証のコーポレートガバナンス・コードへの完全な準拠は、中小企業にとってはなかなか縁遠いところではありますが、株式上場を当面意識しないとしても、そのガバナンス=企業統治に関する考え方は十分参考になります。例えば、新たな事業領域を開発しビジネスを広げていく場合に、銀行からの融資や外部のファンド等からの投資(増資)による資金調達を検討することも多いでしょう。そのような融資や投資を受ける前提として、ガバナンス体制の整備が求められる可能性があり、求められないにしてもガバナンスの視点を持っておくことで話が進めやすくなるかもしれません。

 会社のガバナンス体制を適切に構築することは、不祥事や不測の事態の発生を抑止し、会社経営の安定的な人的・組織的な基盤を作ることに繋がります。経営基盤が安定化すれば、株主の利益はもとより顧客に対してもより良いサービスを提供することができるでしょう。
 弊所では、こういったガバナンス構築に関する直接的なご相談も承っているほか、ガバナンス構築の一つの材料となり得る顧問契約についても推進させていただいております。日常的な法務関係の業務実施のほか、皆様の会社の安定感を対外的にアピールする材料としていただくこともできると考えております。業務内容やコストについてご相談の上、納得感のある内容をご提案させていただいておりますので、ご興味をお持ちになられた方は、是非お気軽にご相談くださいませ。

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